英作文の勉強を始める -参考書(洋書)購入-
半年後くらいに英語で文章を書く機会があるかもしれないということで、英作文の勉強を始めようと思った。学生時代から全く英作文の勉強をしていなかったので基礎からしっかりやる必要がある。
昔何かの記事で海外大学に留学するノンネイティブの学生は、まずアカデミック・ライティングをみっちりと教えられる、というようなことが書いてあったことを思い出し、アカデミック・ライティングを習得できれば良いという結論に至った。
とりあえずそこで使われている教科書を読んで勉強してみるかと思い、良さそうな参考書がないか調べてみた。
良さそうな参考書
アカデミック・ライティングでググっていると、おすすめ参考書が紹介している大変参考になるサイトを発見した。
英語論文の書き方:英文ライティングここから始める必読テキスト4選
こちらのサイトに詳しく書かれているが、英語で文章を書く際にはまず重要なのが、
「英語ライティングのルールを守る」
ことであり、そのルールを解説していて、ネイティブ含め読むべき本として推薦されているのが以下の2冊の本。
① The Elements of Style, Fourth Edition
② On Writing Well: The Classic Guide to Writing Nonfiction
ということで、これら2冊を買った。
『The Elements of Style』はページ数も少なくサイズも小さく持ち運びに便利な本。
まずはこれから読んでライティングのルールをしっかり覚えていきたいと思う。
加えて、アカデミック・ライティングの基礎編として紹介されていた下記の本を購入した。
③ They Say / I Say: The Moves That Matter in Academic Writing
この本はどういった構成で説得力のある文章を書けばよいかをテンプレートを交えながら解説しているとのこと。
①、②を読んだ後にこちらの本を読んで勉強していきたいと思う。
The Elements of Style, Fourth Edition
- 作者: William Strunk Jr.,E. B. White
- 出版社/メーカー: Longman
- 発売日: 1999/07/23
- メディア: ペーパーバック
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On Writing Well: The Classic Guide to Writing Nonfiction
- 作者: William Zinsser
- 出版社/メーカー: Harper Perennial
- 発売日: 2006/05/31
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 2人 クリック: 24回
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They Say / I Say: The Moves That Matter in Academic Writing
- 作者: Cathy Birkenstein,Gerald Graff
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 2018/06/11
- メディア: ペーパーバック
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書かないと忘れる。記憶力をあてにしてはいけない。
文章を書くのは面倒くさいんだけど、簡単なメモでもいいから何か書いておかないとやったこと忘れるよね。
以前インストールしたソフトを別環境でインストールする時、どうやってやるんだっけとか、どういう設定したんだっけとか、なんでこういうプログラムを書いたのか、とかここ最近何回かあった。なんでメモっとかなかったのかとその度に嘆く。
作業している時はまあ覚えてるっしょと自分の記憶力を信じるだが、まあ忘れるよね。
そして同じようなこと調べて時間を無駄する。
書いておけば、それを読めば思い出すし、
書くことによってどこまで理解できているかってのも分かるし、
書いたことによって記憶にも残りやすい、とメリットは多い。
ということでこれからは面倒だけど、なにかしらメモを残そう。
【読書】ソクラテスの弁明
『ソクラテスの弁明』を読んだ。岩波文庫を読むのは久々だった。
読んだ動機
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365という本を毎日読んでいて、その中にソクラテス、その弟子プラトンに関する説明があり興味を覚えた。
本屋に行った際にこの本を手にとると、
と書いてあった。芸術的に完璧ってどんな文章なんだ?と気になり、購入して読んでみることにした。
感想
ソクラテスの思考そして生き様を50ページくらいの短さで無駄なく強烈に印象づける点は確かに芸術的だなと思った。表紙の言葉に納得。ソクラテスの哲学はプラトンの文章力があったからこそこの時代まで残ってたのかなとも思った。ソクラテスの弁明内容にいくつか興味深いものがあったので記していきたいと思う。
あらすじ
まず簡単にあらすじを述べる。ソクラテスはとある人物から訴訟を起こされ、その嫌疑を払拭するため法廷で弁明を行うという話。
ソクラテスに対する訴状は、
ソクラテスは不正を行い、また無益なことに従事する、彼は地下ならびに天上の事象を探求し、悪事をまげて善事となし、かつ他人にもこれらの事を教授するが故に。
とあり、自身が使命とする人々との議論を通じて、人々の反感を食らい、それが元で訴訟を起こされたのである。ネタバレをすると結果的に死刑判決を受けることになった。
「無知の知」&死に対する考え
そもそも、なぜソクラテスは議論すると反感を食らうかというと、人々(特に賢者と思われている人)が実は何も知っていないのに知っていると思っている、すなわち知ったかぶっていることを、ソクラテスが暴露してしまうからである。
これによりプライドを傷つけられた賢者達はソクラテスに憎悪し、誹謗中傷が巻き起こり結果的に裁判へと発展してしまった。
有名な「無知の知」は、この本に出てきていた。
その無知の知を、死に対して適用していたのが新たな気づきであった。
「思うに、使徒は人間にとって福の最上なるものではないかどうか、何人もしっているものはない、しかるに人はそれが悪の最大なるものであることを確知しているかのようにこれを恐れるのである。しかもこれこそまことにかの悪評高き無知、すなわち自ら知らざることを知れりと信ずることではないのか。」
確かにそうだなと。そしてソクラテスは、上記のように死を前にして自身の正義を曲げてまで死を回避しようとする人々をよく見ることを引き合いに出し、ソクラテス自身はそういった態度こそが悪で恥ずべき行為だと主張する。このようなソクラテスの自分の信じることを貫き通す心の強さが魅力的に映った。かっこいい。
そして終盤で死が夢も見ないほどの熟睡と同じようなものだったら最高じゃないかと話かけるところがあり、そういう考えもあるのねと印象に残った。
ソクラテスの弁論術
作中に一部、告発者との議論のやり取りがある。これを読むとソクラテスの頭の良さが分かる。皆が納得するような事実を除々に認めさせ、最終的に相手の矛盾点を証明させるところは見事だなと思った。
そして確かにソクラテスに議論をふっかけられたらいやだなと思う。確実に何かしらを指摘されて、特に地位が高い人にとっては都合の悪い邪魔な相手だと思われても仕方ないなと感じた。
人々のネガティブの感情は強い
「私を滅ぼすべきものはこれである。それはメレトスでもなくアニュトスでもなく、むしろ多衆の誹謗と猜疑とである。それはすでに多くの善人を滅ぼして来た、思うにまた滅ぼして行くであろう。」
これは現代でも通じるように、自尊心を傷つけられた際の嫉妬心・憎悪は強い。生きていく上で、他人のこういったネガティブな感情をいかに刺激しないように、そして自分がそういった感情に陥ってしまったときに、いかに冷静になり落ち着けられるかが重要だなと思う。本書を読んで感情にも気づきが得られたのは収穫であった。
【読書】ブロックチェーン入門
『ブロックチェーン入門』という本を読んだ。
仮想通貨で有名なビットコインに実装されているブロックチェーン。その仕組みと応用例について解説した本である。
読んだ動機
仮想通貨が流行るとともにそれに使用されているブロックチェーンは画期的だ、みたいな記事をよく見かける。
仮に今後ブロックチェーンを用いた製品やサービスが当たり前のように使われるとすると、今のうちに概要くらいは知っといたほうがいいだろうし、ブロックチェーン界隈の未来がどうなるか自分で予測できたらいいなあと思いこの本を手にとってみた。
なぜこの本にしたかというと、グノシーのブロックチェーンブログで勧められていたからだ。ブログにはどのようにブロックチェーン周りの技術をキャッチアップしていくか丁寧に書かれており、興味がある限りこの順番で勉強してみようかなと思っている。
感想
ブロックチェーンにより実現する管理者不在の分散型取引については何となく理解した。
結局のところ中央集権型でなく分散型にするメリットはカウンターパーティーリスクの排除。仲介業者を介すことで発生するコストがなくなり取引にかかるコストが減るのは確かに嬉しい。
ブロックチェーンの仕組みについては、ぼんやりとしかわからなかったが、取引データの改ざんが非常に困難で、ユーザーが不正を働くインセンティブがなく(改ざんしようすると損をする)、ユーザーが自発的に取引データを更新するよう設計された非常によく出来たシステム、ということがわかった。
51%攻撃をしてデータ改善を行うと通貨の信用が失い、価値が暴落しマイニングコストに見合わないので、不正は行われないというのは面白い。
ブロックチェーンを構成するコンセンサスアルゴリズムや暗号化技術についてはちゃんと勉強しないとわからないなあと感じた。
ハッシュ値とナンス値の関係とか公開鍵暗号方式でどうやって取引の正確性が担保されるか私の頭では理解できなかった。
ブロックチェーンの応用例として産業別に多くの事例を紹介されていた。個人的には、ダイヤモンドのサプライチェーンに応用するのが面白かった。
ダイヤモンド産出国ではブラッド・ダイヤモンドという産出国の反政府組織が軍資金を稼ぐために輸出するダイヤが問題になっている。このダイヤモンドのため紛争が激化していってしまうのだ。
このような背景からブラッド・ダイヤモンドが市場に出回るのを制限するため、売り物であるダイヤモンドがブラッド・ダイヤモンドではないことをブロックチェーンに採掘から販売までの取引記録を格納することで証明しようというものである。
本書によるとロンドンにあるEverledgerという会社がやっているらしく、ブロックチェーンのメリット(データの改ざんが困難で情報がオープンなところ)を活かしていてなるほどと思った。
本書を読んでブロックチェーンの概要を知れたのは良かったが、ブロックチェーンを人に説明できるくらい理解するには、結構な時間勉強が必要だなと実感した。どこまでやれるかは不明だが色々本読んだり実装して理解を深めていけたらと思う。
【読書】お金は寝かせて増やしなさい
『お金は寝かせて増やしなさい』という本を読みました。
インデックス投資歴15年のベテラン投資家兼投資ブロガーの著者がインデックス投資の利点と運用方法についてわかりやすく解説した本です。
最近私は、金利が0に近い銀行貯金ではお金は増えないし、経済の勉強にもなるかなあと思い、貯金の一部は株式投資にまわしています。
ただ、株式投資をやってみると、日々のチャートが気になり本業に集中できなくなるのがデメリット。
本書が謳うインデックス投資はインデックスファンドを積立投資することで、基本ほったらかしてでオッケーというもの。
これは本業に支障がでなくていいね、と思い買って読みました。
以下にメモを残します。
【目次】
インデックスファンドとは
インデックスファンドは投資信託の一種であり、日経平均株価などの各種指数(インデックス)に連動する運用成果を目指している。
インデックスは株式の他にも、債券や不動産など各資産クラス固有のものがあり、多くの場合が市場平均を示している。
インデックスファンドは7割のアクティブファンドより成績がよい
アクティブファンドも投資信託の一種であり、インデックスを上回る運用成果を挙げるように専門家が運用する投資信託。
本書でも述べてある通り、アクティブファンドの方がインデックスファンドより運用成果が良さそうなイメージがあったが、7割程度のアクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう。
株式や債券の市場平均は短期的には増減はするものの、長期的にみると過去からずっと上昇している。
これは資本主義の拡大再生産によるもので、今後も上昇していくと本書は述べている。
ヒトがあれこれ考えて投資するより、市場平均という世界経済の成長に投資した方が安定的に勝てるのだ。
本書推奨のインデックス投資
インデックスファンドが投資対象として有用ということがわかったところで、本書がおすすめする投資方法は以下の通り。
手数料の低い複数のインデックスファンドを組み合わせ(分散投資)、それを毎月積み立ててバイ&ホールド。
分散投資でリスク低減、長期保有で平均リターンの回収を目指す。
インデックス投資で重要なこと
資産配分が投資成果を決めるという事実
金融業界では、資産配分でほとんど投資成果が決まってしまうということが常識的とのこと。
銘柄選択や売買タイミングはあまり影響しないというのは驚きですね。
自分のリスク許容度を認識すること
資産配分を決める際には自分のリスク許容度を基に決める。
リスク許容度とは資産運用で発生する損失を1年間でどの程度受け入れられるかを表したもの。
投資前に家計を計算し、どの程度損失を出せても大丈夫か考え、リスク許容度を把握する。
そのリスクの範囲内に収まるようにリスクを調整した資産配分をすることが重要となる。
以上がメモです。ここから思ったことを書きます。
資本主義経済の成長は続くのか
本書では、資本主義経済の成長は人々の「豊かになりたい」という尽きることのない欲望がエンジンとなっているため、今後も資本主義経済は成長を続けていくとしている。
10~20年くらいはそうかもしれないけど、はたしてその後はどうなっているんだろうか。
世の中便利になりすぎて、そんな頑張らなくていいよみたいになるかもしれない。
そうしたら経済成長も緩やかになりインデックス投資もそこまで旨味はなくなるだろう。
まあ未来はわからないし、その時になってから考えようということで、インデックス投資というか確定拠出年金の掛け金を少し増やそうかなと思います。
関東・東北にあるAOKIと青山の店舗位置関係を分析してみる
前回は全国のAOKIと青山の店舗位置関係をざっくりと調べてみました。
今回は分析範囲をUTM54N内に絞り、前回より詳細に両店舗の位置関係について調べていきたいと思います。
具体的には、
ということをしていきます。
【目次】
分析範囲を絞る
今まではUTM54N範囲外に位置する地物もUTM54Nとして変換していました。
今回はそのような無茶なことはせず、UTM54N内にある関東・東北地方の店舗を対象に分析します。
UTM54内にあるAOKIと青山の店舗を抽出するために、下図のようなUTM54Nの東西縁に沿った灰色のポリゴンを作成し、空間検索を用いてこのポリゴン内の店舗を抽出し、今回の分析対象店舗レイヤを作成しました。
なお、ポリゴンを作らなくても店舗レイヤに緯度経度情報がのっているので、属性テーブル上で「式を使った地物選択」により緯度経度の範囲指定をすれば分析対象店舗を抽出することができます。むしろこちらの方が楽です(この記事を書きながら思いついた。。。)
プラグイン「NNJoin」のインストール
NNJoinプラグイン(https://plugins.qgis.org/plugins/NNJoin/)は、入力レイヤ内の地物に最も近いターゲットレイヤ内の地物との距離を導出してくれる素晴らしいプラグインです。
このプラグインを用いることでAOKIの各店舗とそれに対応する最も近くある青山との店舗間距離データを取得できるため、前回の記事より詳細な分析が可能になります。
コントロールパネル内の「プラグイン」から「NNJoin」と入力しインストールします。
NNJoinによる店舗間距離データの取得
入力レイヤにAOKIの店舗レイヤ、検索対象のレイヤに青山の店舗レイヤを設定します。
「OK」を押すと、新たなレイヤが出力されます。レイヤの属性テーブルは下図のようになり、入力レイヤの属性値の後に、各店舗に最も近い青山の店舗情報(属性値)と距離データが書き込まれます。
ヒストグラムの作成
店舗間距離データを取得できたのでヒストグラムを作ってみます。
こちらのサイト(https://bellcurve.jp/statistics/blog/15352.html)を参考にエクセルで作成しました。
取得データとヒストグラムから以下のことが分かります。
- 500m間隔で区切ると500m以下の店舗間距離である店舗数が一番多い。
- 3.5km以下の店舗間距離である店舗は全体の9割を占める。
- 10km以上比較的離れた距離にある店舗は2軒ある。
前回の分析でも述べましたが、AOKIを見つけたら車で10分以内に行ける距離に青山があることが言えます。
中でも徒歩10分以内で行ける近い距離にある青山が最も多いことが今回の分析で分かりました。
さらに10km以上離れた距離にある店舗2軒は、AOKIが青山のいない商圏で商売していると考えてもよいでしょう。
元々は青山も近くにいたが商売に負けて撤退したとか、既に他のスーツ販売店が出店しており、参入の余地がなかったのか、など色々考えられます。
数少ない青山という競合が近くにいない特徴的で面白い店舗です。
ちなみに下図の黄色点が該当するAOKIの店舗です。
各店舗と近傍にある道路との距離データの取得
同様にNNJoinを使って、近傍の道路との距離データを取得します。
国道(高速道路含む)だけの場合と、国道と主要地方道を両方含めた場合の2パターンで距離を導出しました。
ヒストグラムの作成
国道(高速道路含む)との距離のヒストグラム
先ほどの結果からもAOKIと青山は近い位置にあるので、上2つのグラフは似たような形になっています。
分布数が多いのは、距離が100m以内および1km以上の範囲のもので、それぞれ全体の30%程度を占めています。1km以上離れている店舗は、確実に国道沿いにはなく、地方道などの異なる道路に分布していると考えられます。
主要地方道も含めた全ての道路との距離のヒストグラム
主要地方道を含めると、道路との距離が100m以内の店舗が大幅に増加し、1km以上離れた店舗数が大幅に減少しているのが見てとれます。
100m以内の店舗が両社ともに概ね全体の5割程度、200m以内が6~7割程度となっています。
前回の記事で200m以内を道路沿いにある店舗と定義しましたが、今回作成したグラフから200mという設定で悪くはなさそうだなという感じです(100~200mに含まれる店舗数も15%程度と2番目に大きなウェイトを占めているので)。
以上より、主要な道路から200m以内に6~7割程度の店舗が分布していることから、AOKIと青山は交通量の多い道路沿いに多く出店していると考えられます。
まとめ
今回はヒストグラムを作成し店舗間距離データ、店舗と道路間距離データの分布状況を明らかにしました。
基本的に前回の記事で考えていたことを変わりませんが、ヒストグラムを作成することで、
- AOKIと青山の店舗間距離が500m以内である店舗が全体で最も割合が多い
- ほぼ全てのAOKIで、近く(5km、車で10分以内)には青山の店舗があるが、東北・関東エリアでは2店舗が周りに青山がいない(15km以上離れている)エリアに出店している
- 店舗と道路間距離は100m以内の店舗が全体で最も割合が多い
というようなことが分かりました。
ひとまず今回の分析で終了としますが、記事を書いている時に、QGIS上で人口分布を入れたりしたら面白い発見がありそうだな等のアイデアが浮かんできたので、また色々いじっていけたらと思います。
ふとした疑問をプログラミングとソフトを使って色々検証できて面白かったです。勉強にもなりました。
このようなブログを書くのははじめてでしたが、内容がうまくまとまらず自分の文章力のなさを痛感しました。日々ブラッシュアップしていきたいと思います。
ここまで読んでくださった方、まことにありがとうございました。
全国にあるAOKI・青山の店舗をざっくり分析してみる
前回はQGISを使ってAOKI、青山の店舗と道路データを表示させました。
今回はQGISの分析機能を使って、店舗位置関係をざっくりですが定量的に調べてみたいと思います。
具体的にはAOKIの近傍にある青山の店舗の抽出と各店舗の近傍にある道路との距離測定を行っていきます。
【目次】
各店舗レイヤの投影法の定義
各店舗レイヤの座標系はJGD2000の緯度経度で表される地理座標系であるため、投影法を定義します。
投影法を定義することで、店舗間距離測定等の空間演算処理で「m」といった馴染みのある距離単位を使用することができます。
今回、投影法は「UTM54N」にします。
UTM54Nは上図の青線内の地域(東経138-144度)、大体長野県や静岡県あたりから北海道までを投影対象としています。このため、全国の都道府県をUTM54Nで投影すると、投影対象範囲外の県では歪みが大きくなると思われます(範囲外に対しどのような計算をしているか不明)。
今回は近傍の地物(店舗や道路)の距離を測定していくので、近傍にあれば歪みの大きさは同じだろうと思い、全国の地物に対してUTM54Nで投影します。
(実際は当初関東だけを対象に分析をしようと思っていたのでUTM54Nで設定しており、それをそのまま使用したというだけです。。。)
投影方法は、保存対象のレイヤを右クリックして「名前をつけて保存」内の「CRS」で投影法をJGD2000 / UTM zone 54N (EPSG: 3100)として保存します。
同様に地理座標系であった道路レイヤもJGD2000 / UTM zone 54N (EPSG: 3100)に変換します。
なお、道路レイヤ内にある高速道路データは新しいデータ(高速道路時系列、前回記事のピンク線のデータ)に入れ替えて使用しています。この入れ替える方法については違う記事に記したいと思います。そのまま道路レイヤ内にある高速道路を使用しても結果に大きな違いはないと思います。
AOKIの近くに青山があるか調べる
分析方法概要
AOKIの店舗レイヤに指定した距離のバッファ処理をし、そのレイヤと青山の店舗レイヤが交差するAOKIの店舗数を数えていきたいと思います。
「近くにある」の距離の定義
個人的な感覚ですが、徒歩10分以内でいける500mから車で10分以内にいける5kmの範囲が「近くにある」のではないかと思いました。
なのでこの2つの距離を用いて調べてみたいと思います。
バッファ処理
バッファ処理は対象とするポイントから指定した距離の範囲内を示すポリゴンを生成します。
コントロールパネルの「ベクタ」→「空間演算ツール」→「固定距離バッファ」をクリックし、以下の画面の「距離」に500を入力します。
「バッファ」にレイヤの保存場所を指定し、「Run」を押すと、バッファ処理されたレイヤが生成されます。
AOKIから500m以内に青山があるようなAOKIの店舗数を導出
空間検索を用いて該当する店舗を抽出します。
コントロールパネル→「ベクタ」→「空間検索」→「空間検索」をクリックし、下の画像のようにバッファ処理したレイヤを選択、地物の場所を「交差」にし、地物の参照に青山の店舗レイヤを入力します。
適用を押すと以下のように、AOKIの577軒中141軒となりました。
個人的にはもっと多いかと思っていましたが、500m以内だとこんなものなんでしょう。
同様に、AOKIの5km以内に青山があるようなAOKIの店舗数を調べてみると、577軒中554軒あることがわかりました。
以上の結果からAOKIの店を見かけたら、
- 約25% (141軒÷577軒より) の確率で、徒歩10以内の近距離に青山がある
- 約96% (554軒÷557軒より) ほぼ100%の確率で、車で10分走らない距離で青山を見つけることができる
と言えます。
国道沿いにAOKIと青山があるか調べる
次に、AOKIと青山が国道沿いに立地しているか調べてみます。
分析方法は前述のAOKIと青山の位置関係を調べた方法と同じように行います。
「沿いにある」の距離の定義
道路レイヤや投影法による歪み、店舗位置と道路までの実際の距離(道路沿いに店舗があっても入り口前に駐車場がある場合など)を加味して200mに設定します。
バッファ処理&空間検索
AOKIと青山の店舗レイヤに200mのバッファ処理をします。
次に、空間検索対象として国道を指定したいので、道路レイヤから主要地方道を除外したレイヤを作成します。
レイヤパネル内にある道路レイヤを右クリック→属性テーブルを開く→コントロールパネルの「式による選択」をクリック。
主要地方道は「N01_001」属性の属性値「3」を示すので、上図のように"N01_001" = '3'
と式を入力・適用した後に、コントロールパネルの「選択結果を反転する」をクリックし、主要地方道以外の道路を選択します(高速道路も含めています)。
選択結果を別レイヤとして保存します。
空間検索により、国道から200m以内にあるAOKIと青山の店舗はそれぞれ以下のような結果となりました。
- AOKI:215軒 / 575軒 → 37%
- 青山: 396軒 / 812軒 → 49%
マップ上だとほとんどの店舗が国道沿いにあるという印象を受けていたので、意外と少ない結果でした。
しかしよくよく考えてみると、県道などの地方道も大きな道路は多くあり、その道路沿いにも店舗はあるだろうと思い、主要地方道も入れて検索し直してみます。
ちなみに、下図のように地方道データ(紫色の線)は分布しています。
主要地方道を入れて再検索した結果は、
- AOKI:365軒 / 575軒 → 63%
- 青山: 555軒 / 812軒 → 68%
となりました。
やはり地方道を入れるとヒットする件数が増えます。
AOKIも青山も6~7割程度の店舗が国道および主要地方道沿いに分布しています。その他の店舗は道路レイヤの位置や店舗位置の誤差により、実際に道路沿いにあるのに200m以上離れてしまっているケースと、ここで示した道路と違う道路沿いに分布しているケースがあります。
どちらのケースが多いか判断するのは難しい(できない?)ですが、主要地方道に含まれないが比較的交通量の多い道路や最近できた道路(使用データは20年前)沿いにできた店舗が多く検索に漏れてきているのではないかと思っています。
いずれにせよ、AOKIと青山は過半数が交通量の多い主要な道路沿いに分布していることから、そのような場所を狙って出店しているのだろうと考えられます。
まとめ
今回はざっくりとですが、定量的にAOKIと青山、そして国道との位置関係について調べてみました。
調べてみた結果、
- 4軒中1軒のAOKIで、すぐ近く(500m、徒歩10分以内)には青山の店舗がある
- ほぼ全てのAOKIで、近く(5km、車で10分以内)には青山の店舗がある
- 国道沿いにあるAOKI、青山の店舗は全体の約4~5割程度
- 主要地方道を含めると、それら道路沿いにある店舗は全体の6~7割程度
ということが分かりました。
記事1でたてた仮説【「AOKI」の近くに「青山」がある】は合っていたのではないかと思っています。
仮説【「AOKI」と「青山」は田舎の国道沿いに多くある】については、確かに半分程度の店舗は国道沿いに分布しているが、それ以外の地方道といった道路沿いにも多く分布している、と修正することができました。
次回の記事では、分析範囲をUTM54N内に絞り、もう少し詳細に調べてみたいと思います。